学校英語から実用英語へステップアップするための一冊です。
学校英語の問題点
中学・高校で英文法や英文読解は学んだけれど、
リスニングは全然できないし英会話はもっとダメ、
という声はよく聞きます。
私も以前はそうでした。
受験勉強のおかげで読み書きはある程度できたものの、
リスニングは苦手で、受験でもリスニングは捨てて筆記だけで勝負していました。
それからカナダに留学して
ある程度のコミュニケーションは可能になったものの、
英語で読書ができるレベルには至りませんでした。
大学卒業後、英語教室を開き、受験英語の指導を始めましたが、
英語を教える立場にありながら英語の本が読めないということに悩んでいました。
生徒からリスニングの学習について相談を受けても
過去問をやったらいいなど、
ありきたりのアドバイスしかできませんでした。
しかし、英語教室をはじめて1年後、多読に出会いました。
多読・多聴って何?
英語の多読・多聴については知らない方も多いと思います。
まだ読んでいない方はまずはこちらをご覧ください。
『英文を速く読むための英語多読教室』第1話~第10話
次にこちらの図を見てください。
学校英語で基礎知識を身につけた後に
実用段階に至るまで大量の英語に触れること、
今まではそこが不足していました。
英語学習において
たった1週間で英語ができるようになる
といった魔法のような方法は存在しません。
しかしゼロから始めて300時間、
文法や語彙などの基礎知識がある方なら100時間もあれば
ハリーポッターなどの児童書が読めるようになります。
その時点でも日本人にとっては十分なレベルの英語力だとは思いますが
児童書が読めるようになったら次は大人向けの本や映画など楽しめる素材が広がります。
大事なのは朗読CDと本を楽しむうちに
自然と英語で読書ができるようになるし、
朗読CDを聞くことでリスニング力もつくことです。
「本当に自分にもできるの?」
と思われる方も多いでしょう。
私も高校生の時にハリーポッターを英語で読もうとして
3ページも進まずに挫折した記憶があります。
その時の自分に多読の正しいやり方を教えてあげたい、
そんな思いからこのマンガを作りました。
多読のレベル分けのうち、
レベル0は中学1年生レベルなので
ゼロからやり直したい方でも問題なく始められます。
また、多読の上で最低限知っておいてほしい知識は
この本の中にまとめてあります。
あとは多読用の洋書の購入に関してですが、
今なら教材が豊富にあり、手に入れるのも簡単です。
2000年頃はまだ教材が普及しておらず
朗読CDつきの洋書がなかなか手に入りませんでしたが、
今は大型の書店に行けば洋書コーナーがありますし、
大型の書店が近くになくてもAmazonなどネット上で購入することができます。
基礎知識を習得し、その上で多読・多聴をこなせば
もはや「英語が使えない」ということに悩む必要はなくなります。
挫折しないために重要な3つのこと
多読の重要性をわかって頂ければ
あとは行動あるのみです。
すぐ挫折しないために次の3点を守ってください。
①入門書をそばに置いておくこと
②自分にとってやさしいと思えるレベルから始めること
③学習よりも読書の楽しさを優先すること
多読はよほどの学習経験がない限りはレベル0から始めることをおすすめいたします。
(英字新聞の記者でも研修の時にレベル0から読むそうです)
そして学習のために読むのはもちろんですが、楽しむことも忘れないでください。
問題集を使った英語学習との大きな違いは多読の行為そのものが楽しいものになり得るということです。
楽しんで続けているうちに自然と英語の力もついてきます。
この本には多読を始めたいと思っている方に伝えたいことを全部書きました。
ぜひ手元において多読を進めながらこまめに読み直して頂きたいです。